教授 ご挨拶

香川大学呼吸器・乳腺内分泌外科学 教授 矢島俊樹 ご挨拶

香川大学呼吸器・乳腺内分泌外科学のホームページをご覧頂き、誠に有り難うございます。令和4年(2022年)4月1日に教授として赴任いたしました矢島俊樹と申します。本講座では呼吸器外科と乳腺内分泌外科の臨床・研究・教育を担当しております。主に扱う肺癌は全癌死の第1位、乳癌は女性罹患率の第1位でいずれも増加傾向で、この講座の果たす社会的役割は大きく、主宰できることの喜びを感じると共に重責の大きさに大変身が引き締まる思いであります。
この教室は昭和58年に初代教授として前田昌純先生が赴任し外科学講座第二外科学として開講されました。平成11年から第二代教授として横見瀬裕保先生が引き継ぎ、平成18年より教室名が呼吸器・乳腺内分泌外科学となりました。このたび私が第三代教授として着任し、これまで築いてこられた伝統を継承し、更に発展できるよう努力して参りたいと考えております。
私は平成9年に群馬大学医学部を卒業し同大学の第一外科に入局しました。臨床では大学病院を中心に呼吸器外科の診療に携わってきましたが、関連病院での5年間は呼吸器外科に加え消化器外科、乳腺内分泌外科の手術も経験してきました。研究では名古屋大学生体防御医学研究所で3年間、九州大学生体防御医学研究所で3年半、免疫の基礎研究に没頭してきました。更に平成31年から3年間、群馬大学先端腫瘍免疫治療学講座を主宰し腫瘍免疫の基礎研究を行いながら呼吸器外科のチーフを兼務し、臨床と基礎研究の二刀流を実践してきました。教育では医学部生と大学院生の指導を継続的に行い、臨床だけでなく研究、教育に常に携わることができたことが今日の立場を頂けることにつながったと感じております。今後、これらの経験を生かしてこの教室の更なる発展に尽力いたします。
この教室で「一流の外科学教室」を目指すため臨床、研究、教育それぞれで以下のような目標を掲げます。

<臨床>心と身体に優しい外科医療を実践する

悪性腫瘍に対して根治性の高い手術を安全に行うのは勿論、可能な限り患者さんの負担が少ない低侵襲手術を目指しております。手術は身体だけでなく精神的にも負担のかかる治療です。その技術を極限まで高めることにより身体への負担を最小限とすることが可能で、さらに一人一人の心に寄り添った医療を提供することが必要です。大学病院として常に最先端の医療を学び、新規技術を導入し究極の低侵襲手術を目指していきます。また進行がんにおいては拡大手術が必要となり身体への負担が大きくなってしまうことがありますが、そのような患者さんに対しては「根治を諦めない手術」で心に寄り添えればと考えております。

<研究>臨床課題克服を目指した研究

外科医は多くの臨床業務(手術、薬物療法、放射線治療など)に携わるため、最も臨床課題を熟知していると考えます。その課題を克服するための研究は外科医でないと出来ないと考え、臨床研究と基礎研究を共に行うことを目標としています。特に新規医療技術や新規治療法開発のためには基礎研究が必要であり、臨床課題克服を目指した外科医による基礎研究を実践します。

<教育>未来の外科医療を担う呼吸器外科医・乳腺内分泌外科医の育成

外科医不足の昨今、質の高い優れた外科医を育成することが必要と考えます。臨床では手術を可能な限り定型化して効率良く教育し、最短で難易度の高い技術を習得できるような環境を整えていきます。臨床だけでなく研究も行えるAcademic surgeonを育成し、それらの中から優秀な呼吸器外科、乳腺内分泌外科の指導者を輩出できる教室を目指していきます。
以上の目標を達成するために必要なことは「一人一人が活躍できる組織造り」が重要で、特に若手の活躍はその組織の活性化において必須です。教室の門戸は広く開かれておりますので、この教室に興味のある学生・研修医を含めた若手の方々は気軽にご連絡下さい。

矢島 俊樹

略歴

平成09年03月
群馬大学医学部 卒業
平成09年06月
群馬大学第一外科(研修医)
平成10年06月
鶴谷病院外科(研修医)
平成11年4月~14年3月
群馬大学大学院医学系研究科 大学院
名古屋大学医学部附属病院・生体防御医学研究所(研究生)
平成14年4月~17年8月
九州大学生体防御医学研究所・感染制御学分野(助手)
平成17年9月
群馬大学病態総合外科(助手)
平成20年4月
伊勢崎市民病院外科(医長)
平成23年4月
公立藤岡総合病院外科(医長)
平成25年4月
群馬大学病態総合外科(助教)
平成30年10月
群馬大学総合外科学講座(講師)
平成31年4月
群馬大学先端腫瘍免疫治療学講座(寄付講座 准教授)
令和元年8月
群馬大学医学附属病院・外科診療センター・呼吸器外科(疾患チーフ)
令和4月4月
香川大学医学部 呼吸器・乳腺内分泌外科学 (教授)
現在に至る